不動産投資をすると、不動産取得税や固定資産税など税金を納付する機会が多くあります。
年1回は確定申告もあり、税金に関わるタイミングは一般的なサラリーマンよりも多いです。
税金は種類が多く、すべてを理解するのは難しく、確定申告が何かも分からないままやっている人が多くいます。
不動産投資をしている、もしくは今後始めようとしているなら、まずは無料相談で不動産投資に強い税理士を見つけましょう。
これから不動産投資をするなら税理士に無料相談を
これから不動産投資を始めようとしているタイミングであれば、税理士の初回無料相談に行くといいでしょう。
もちろんすでに不動産投資を始めていて、税理士への相談経験がない人も初回無料相談に行くといいでしょう。
確定申告を今後も自分でやっていくのか、税理士に依頼するかの判断ができます。
ただ、税理士に相談するのはハードルが高いと感じる人も多いです。
最近は、「初回無料相談」をしている税理士事務所が多くあるので、気軽に行けます。
初回無料相談では、本業の状況や今ある不動産、今後の展望を伝えた上で、相談したい内容を聞きます。
今の状態で税理士に依頼した方がいいか、自分でやっていけるかの相談も可能です。
税理士への依頼を前提に探しているタイミングでも、初回無料相談は活用できます。
自分の行動範囲にある税理士事務所を3件程ピックアップして、それぞれ実際に相談して決めるといいでしょう。
最近ではZoom対応が可能な事務所もあるので、自分に合った相談方法で相談しましょう。
初回相談から有料の税理士事務所もあるので注意は必要です。
初回相談の予約をするタイミングで、相談金額を確認してから行くといいでしょう。
ただ、初回の相談が「無料」である事務所を必ずしも選ぶ必要はありません。
有料であっても、「この税理士に相談してみたい」と思うのであれば、有料で相談するのもいいです。
気軽に相談したいのであれば、まずは初回無料相談をしている税理士事務所に行く方が敷居は低いです。
【不動産税理士】
不動産投資を得意とする税理士の中には「不動産税理士」と名乗る人がいるようです。
「不動産税理士」は不動産に関する以下の内容を得意とする税理士だそうです。
・税務顧問
・確定申告
・相続税の申告
・相続対策
・不動産売却時の確定申告
税理士になるためにはいくつかの試験科目に合格する必要があります。
ただ、税理士試験科目には「不動産投資」はありません。
そのため、不動産税理士になるには個別の勉強が必要であり、不動産税務を経験できる事務所が少なく「本物の不動産税理士はほとんどいない」というのが不動産税理士と名乗る人の見解です。
私は10年以上税理士業界にいますが、不動産税理士といった名前を聞いたことはありません。
税理士であれば、不動産投資税務が得意でも、苦手意識があっても「今日から私は不動産税理士です」と宣言すればなれる程度のもののようです。
「離婚弁護士」みたいなものですかね。
弁護士であれば対応できるけど、自ら「離婚弁護士」と名乗り、離婚相談の対応件数を増加させる。
一種の広告に近いものでしょう。
大きな税理士事務所で、事務所内の規定で「不動産税理士」と名乗るか名乗らないかの線引きはあるかもしれません。
不動産投資をしているからといって、「不動産税理士」と名乗る税理士を探す必要はありません。
不動産投資に強い税理士を見つけるにはまずは無料相談
不動産投資に強い税理士を見つけるには、実際に相談してみるのが一番です。
仕事や家庭の事情で実際に税理士事務所に出向けなくても、最近ではZOOMで対応をしてくれる事務所もあります。
今後相談する状況や税務調査があったケースも考えて、行ける範囲の税理士事務所を選ぶのがおすすめです。
不動産投資をしている人が税理士に依頼するタイミングは
②一棟目を購入した後
③上記以外
多くの人は①②で相談に来ます。
今後、不動産購入を検討している人の中には「物件を購入していないと税理士に相談してはいけない」と思っている人もいるようですが、そのようなことはありません。
無料相談に行って税理士の得意分野を聞く
無料相談に行ったら、税理士の得意分野を聞いてみましょう。
税理士は医師と同様、得意分野があります。
医師は基本的にすべての医療行為は可能ですが、眼科や耳鼻科、産婦人科などの分野が分かれていますね。
税理士は、医師ほど明確に分野は分かれていませんが、得意分野はそれぞれあります。
せっかく相談に出向いたのですから、税理士に得意分野を聞くといいでしょう。
税理士へ得意分野を質問するのは「失礼ではないか」と感じる人もいるようです。
得意な仕事を聞いてはいけないわけではありません。
税理士ではなくても、仕事を依頼する時は得意な人にお願いします。
自宅が雨漏りしているのに、豆腐屋さんに仕事を依頼する人はいないでしょう。
税理士も一緒です。
次の候補事務所に相談に行きましょう。
ただ、税理士によっては得意分野を偽る可能性もあります。
あまり不動産について詳しくなくても「詳しい」と嘘をつけば、目の前の人は顧問契約につながる可能性がありますからね。
大きな税理士事務所は、スタッフ数が多い分案件も多いので、所属する誰かが不動産投資が得意かもしれません。
事務所内に不動産に強い税理士はいるけど、「担当者が別」といった状況もあります。
必ずしも所長がいい、代表税理士がいい、というわけではありません。
あなたが不動産に強い税理士と合う合わないもあるし、不動産投資を得意とする税理士が今以上の担当を受けられない可能性もあります。
事務所内の風通しさえよければ、担当者が不動産投資に得意な人に不明点を確認して対応できます。
不動産投資に強い税理士を知人に紹介してもらう
不動産投資をしている知人に紹介してもらうと、不動産に強い税理士を探しやすいです。
不動産投資をしている知人が依頼している税理士であれば、不動産投資の税務経験は少なくともあります。
依頼すれば力になってくれる税理士である可能性は高いです。
ただ、知人にとっていい税理士でも、あなたにとって必ずいい税理士かは分かりません。
紹介してもらうのは1つですが、紹介された税理士に相談しつつ、自分でも探してみるのがいいです。
紹介してもらった税理士事務所も含めて3件程相談してみて、実際に誰に依頼するかを決めるといいでしょう。
自身が不動産投資している税理士を探す
税理士自身が不動産投資を行っているケースもあります。
「不動産投資のお客さんが多いから自身も勉強で」と不動産投資をする税理士や、「自身が不動産投資しているから」と不動産投資のお客さんがどんどん増えていく税理士もいます。
「不動産投資に詳しい税理士」を求めるのであれば、税理士自身不動産投資をしているのか質問してみるといいでしょう。
不動産投資をしている税理士であれば、あなたと同じ状況に遭遇し、困った経験がある可能性もあります。
不動産投資の業務内容も知っています。
税理士が不動産投資をしていないからといって、必ずしも不動産投資の税理士としてダメなわけではありません。
投資している立場からあなたを助けられる可能もあります。
1つの参考にはなるでしょう。
税理士の不動産投資顧問実績や経験を確認する
初回の無料相談では、税理士のこれまでの実績や経験を質問してみるといいでしょう。
不動産投資の顧客がどれくらいいるのか質問しても問題ありません。
顧客件数はピンとこない場合は、割合を聞いてみましょう。
不動産投資は、法人・個人の税務の他に相続や贈与が関係してくるケースもあります。
前述しましたが、税理士にも専門があります。
・法人や個人事業主の会計税務を専門にやる税理士
・相続や贈与の税務を専門にやる税理士
大きく2つあります。
もちろん個人の税理士事務所であっても、どちらの税務をやる税理士もいます。
大きい税理士事務所だとすべての税務をやっている可能性が高いです。
案件を部署で分けて対応している事務所もあります。
「法人や個人事業主の税務はやらない」
「相続や贈与の税務はやらない」
税理士1人の事務所では、特に上記を決めているケースは多いです。
不動産投資は、大きく分けて2種類います。
・法人や個人の会計税務が必要な人
・相続や贈与の税務が必要な人
法人や個人事業主としての税務が必要だったけど、年齢と共に相続や贈与を考える時期になってきた、といった人もいます。
今後も不動産投資をどんどんやっていく若い人であれば、不動産に強くて法人や個人の税務を主としている税理士に依頼するといいでしょう。
年齢を重ねて、相続や贈与が必要となってきた時に税理士を変更するのもいいでしょう。
必要となってきた税務が変わったタイミングがあれば、その時点で顧問税理士に相談すると、別の税理士を紹介してくれるケースが多いです。
現時点で定年間近の人やご自身の体調によっては、相続や贈与を含めて税理士を探したいケースも多いです。
その場合、相続や贈与を専門にしている税理士を探すといいでしょう。
不動産に強い税理士であれば、どちらの税務も全くできないわけではありませんが、得意不得意はあります。
自分が不得意とする分野を誰かにお願いできるのは能力の高い税理士です。
若い人でも自分に「もしも」があった場合、相続や贈与になったらどのような対応をするのかは、最初の段階で税理士に確認するといいでしょう。
明確な回答がなければ、違う税理士に依頼したほうが良いです。
個人の税理士事務所には紹介先が複数あるケースもあります。
特に不動産投資の対応をしてきている税理士であれば、自分の不得意分野に強い紹介先があります。
得意な税理士を紹介する、提携している税理士を案内するなどあれば、問題が起こっても対応先があるので依頼後も比較的安心です。
「すべての税務なんでもやります」といった税理士は事務所で働く身からすると心配です。
最初から相続ありきの不動産投資をしているのであれば、相続や贈与を想定して税理士を探すといいでしょう。
何歳までは法人や個人事業主の会計に強い税理士に依頼し、何歳からは相続や贈与に詳しい税理士に移行するといった計画を持って依頼するのもありです。
不動産投資に関する質問をして対応の質を確認する
不動産投資で税理士を探す場合、ホームページで探す人が多いです。
ホームページは広告なので、「不動産に強い税理士」と謳っていても本当かどうかは分かりません。
税理士紹介サイトに掲載している税理士もいます。
サイトに「強い分野」に得意な税務が記載されているケースもありますが、本当かどうかは分かりません。
「あなたが必要としている情報を依頼した税理士が持っているかどうか」が不動産投資の税理士選びには必要です。
不動産投資で必要な税務は人によって異なります。
・あなたが若く、個人で不動産投資をしているのであれば、所得税をはじめとした税金に関して知りたいでしょう。
・あなたが年齢を重ねていれば、個人で持っている不動産の贈与や相続に関して知りたいでしょう。
・あなたが法人で不動産投資をしているのであれば、役員報酬や法人税に関して知りたいでしょう。
すべてを網羅できる税理士は多くいません。
中には相談内容が得意ではない分野であれば、最初から断る税理士もいます。
自分が不得意な分野であるといった理由で断るのであれば、相手の立場を考えている税理士なので、ある種信頼があります。
そのまま他の税理士を紹介してもらうといいかもしれません。
・個人や法人で不動産を持っていて、今後も所有していくのであれば対応できるけど、生前贈与や相続に関しては受けられない
・生前贈与や相続なら相談に乗れるけど、所得税や法人税は受けられない
上記の税理士もいます。
不動産投資の状況も考えて税理士を探す必要があります。
また、分からないのであればダメな税理士というわけではありません。
分からない、対応できないと言える税理士は自分の不得意を知っているので、私からすると非常に優秀な税理士です。
なんでも完璧な人はいないように、すべての税務を完璧に熟知した税理士もいません。
不安な部分は都度調べ、確認します。
それを理解した上で税理士を選ぶと、自分に合った税理士を探しやすいです。
自分に合った不動産投資に強い税理士を探したいのであれば、少し専門的な質問をすると方法もあります。
税理士によって対応は異なります。
・すぐに答えられないから調べて後日連絡する
・その場で調べて回答する
・適当な回答をしてその場をしのぐ
・質問をはぐらかす
質問した時の税理士の対応が今後の対応です。
大きい税理士事務所では、税理士が複数人います。
対応が税理士ではないケースもあります。
税理士であってもなくても、不動産投資に関する質問をして対応の質を確認してみるといいでしょう。
税理士に依頼するメリットは税金やお金のリスク回避
個人で不動産を1戸2戸所有しているのであれば、税理士に依頼せず、自分で確定申告をしている人もいるでしょう。
個人で不動産を所有している人が税理士に依頼するメリットは、税金の正しい計算とお金に関するリスクを回避するためです。
税理士に依頼すると楽に正確な確定申告ができる
個人の確定申告は、自分でしている人も多いです。
確定申告をするのは年に1回なので、「どうやってやったかな?」と思う場面は何度もあるでしょう。
法律もどんどん変わっていくので、作っていて正しいかどうか不安になるでしょう。
確定申告も税理士に依頼すると、楽に正確な確定申告が完成します。
あなたは確定申告に必要な書類を一式税理士に渡せばいいのですから。
確定申告書類を作成している税理士からは質問や確認があるので、聞かれた内容を正確に答えられる状態にしておけば正しい確定申告が完成です。
例えば自分で確定申告をすると、何を経費にして、何を経費にしてはいけないのか悩む場面が出てきます。
・物件購入時の仲介手数料
・未経過の固定資産税相当額
・登記費用
・不動産取得税
・自動車関連の費用
・領収書のない電車代
・自宅家賃
・飲食代
・雑誌、書籍
・趣味で買ったもの
・セミナー受講料
・新聞や雑誌の定期購読料
税理士に依頼せず確定申告をしていると、よくあるミスで大きく2パターンあります。
・経費にできるものが経費になっていない
特に不動産賃貸業をしていると、減価償却資産と耐用年数についても理解して申告書を作成する必要があります。
・購入した物件の建物部分
・各部屋の給湯器やエアコン
・物件を管理するために使用するパソコン
・物件の見回り、新規物件の開拓のために使用する自動車
これらのものは不動産投資をする上で経費です。
購入時に建物購入額すべてを経費にすることはできません。
減価償却といって、法律で決まった年数によって少しずつ経費にしなければなりません。
耐用年数はインターネットで検索するとすぐに出てきます。
ただ、減価償却の耐用年数は新品だと分かりやすいのですが、中古だと判断に困ります。
ものによっては何に該当するのかも不明なケースも。
不動産取得に関しては、建物と合算しないといけないケースと経費にできるケースなど様々です。
税理士事務所で働く下っ端スタッフはなんだかんだといつも検索して確認しています。
※私も下っ端の時にはよく調べていました(笑)
一見経費として計上すればいいと思っているものでも、実は建物として資産計上しないといけないものもあります。
普段から税金の計算をしていない人であれば、大変難しいです。
長く税理士事務所の下っ端従業員をやっていても、毎回調べていますよ。
不動産投資で使える節税アドバイスがもらえる
税理士に依頼すると不動産投資で使える節税のアドバイスをもらえます。
不動産投資で少しでも節税したいのであれば、税理士に依頼するのが一番です。
税金に関する法律はすぐに変わります。
普段から税金に関わった生活をしているのであればいいですが、多くの場合、税金に関わった生活をしている人は稀です。
特に不動産譲渡は特例が多いです。
不動産譲渡があった年は税理士に相談すると、税金がお得になる方法を教えてくれる可能性があります。
今後、不動産投資をさらに進めようとする時も、税理士の助言が役に立つタイミングは出てきます。
税理士にもよりますが、顧問契約を結べば、譲渡や購入の都度税理士への相談が可能です。
節税は間違えて使うと脱税です。
税務調査があれば、脱税があれば本来納付しなくてもいいペナルティを含めた税金を納付しなければなりません。
状況が変われば使える対策も変わります。
無料相談で聞いたものが今使えるとは限りません。
税務調査のリスクが減り、税務調査があっても頼れる味方になってくれる
税理士に依頼すれば、税務調査のリスクがなくなるわけではありません。
リスクが減るとは言われています。
税務調査は正しく税金が納付されているのか確認する調査です。
税理士がやると一般の人より凡ミスは減りますし、普段から申告書類を作成しているので一般的な人より慣れてはいます。
年1回しか作成していないのであれば、確定申告の作成方法は忘れてしまうでしょう。
税理士が確定申告書を作成し、提出する場合、申告書に税理士の名前が記載されます。
税理士が関与しているから税務調査がなくなるわけではありませんが、税務署からの信用が上がるといった噂はあります。
実際税理士がいるかいないかで、どれだけ差が出るのかは分かりません。
税理士がいる、いないは関係ないと考える人もいますし、税務調査の可能性は下がると考える人もいます。
とはいえ、仮に税務調査があっても税理士は基本的に納税者の強い味方です。
税理士によっては味方にはならないので税理士選びは慎重に。
税務調査に関して記事も作成しているので参考にしてください。
(参考:https://omakasetax.co.jp/kojinchousa#index_id18)
(参考:https://omakasetax.co.jp/chousanyumon/)
法人での不動産投資も相談できる
不動産投資は個人でやっている人は多くいます。
法人で不動産投資しているケースも。
法人で不動産投資をするか、個人で不動産投資をするか悩みます。
不動産投資は、個人から始める、もしくは相続や贈与を機にやるケースがほとんどです。
個人で物件が増える、利益が増えてきたタイミングで法人化を検討する人や、別で法人を作って不動産投資をする人もいます。
法人化のタイミングは人それぞれです。
多くの書籍では不動産投資の場合、家賃収入2000万円~2500万円が法人化のタイミングと言われています。
サラリーマンなど、本業がある場合は、本業収入によっても変わるので上記の家賃収入の金額は一概には言えません。
確定申告をしているのであれば、今までの確定申告と物件の状況を踏まえて税理士に相談するといいです。
・このまま個人事業主で不動産投資をやっていく
・法人化
・個人所有の不動産はそのままに、新たに投資する分は法人を作って、法人で不動産投資をする
やり方は人によって様々です。
不動産投資をする人の中には、サラリーマンを辞めて大家業だけをして生活したい人もいるでしょう。
不動産投資の規模によりますが、木造アパートを5棟から7棟所有すると、セミリタイアが可能と言われています。
大家業だけで生活できるかどうかも重要です。
物件を増やすには銀行が融資したくなる状況にする必要があり、その時には税理士の力が必要となってきます。
特に不動産投資の場合、銀行から借り入れをして行っているケースがほとんどです。
利益は出ているけど現金として毎月残るお金が少ないケースもあります。
不動産投資で収入を得ると「不労所得」といった言葉に喜ぶ人もいますが、キャッシュフローを確認しなければなりません。
キャッシュフローが壊れていたら継続は不可能です。
税金の知識が身につくので、次の不動産投資も検討しやすい
インターネットで検索すると、税理士に依頼するとデメリットとして「税金の知識が身につかない」というのがあります。
不動産投資を始めてすぐは税理士に依頼せず、自分で確定申告をする人が多いです。
確定申告書を作成するときに税金について調べながらやるケースが多く、自分で確定申告書を作ると税金の知識が身につく!といった内容です。
しかし、実際自分で確定申告書を作っている人の中には、税金に関する法律を都合よく解釈しているケースや、間違った解釈をしているケースが多くあります。
税金に関する法律は頻繁に変わるので、今までよかったやり方がいきなりダメになるケースもよくあります。
普段から税金に関わっていない人は分からずに過ぎてしまい、後から税務調査で多額の税金を追加で納めないといけない羽目にもなりかねません。
税金や確定申告を税理士に依頼すると、基本的には内容を説明してくれます。
もし、分からない点や不明点があれば、税理士は解説してくれます。
自分で調べてから質問するのもいいですし、最初から質問も可能です。
インターネットでは税理士に依頼すると税金の知識が身につかなくなるといった説明は多いですが、実際は逆です。
どこまで関わろうとするかによりますが、税理士に分からないところを解説してもらった方が税金の知識は身につきます。
税金に関する知識がある程度あれば、次の物件を投資する際にも判断材料が増えます。
分からない、不安があれば税理士に相談可能です。
不動産投資をするかどうかの判断も、税理士に教えてもらった内容は判断の1つになるでしょう。
不動産投資で税理士に依頼するデメリットは税理士報酬
不動産投資で税理士に依頼するデメリットは税理士報酬です。
自分に合った税理士を選べたら、確定申告もスムーズで、自身が新たな物件を購入する時も相談もできます。
税法上の注意点を教えてもらえるのでメリットは大きいです。
ただ、デメリットはお金です。
税理士に依頼するとお金が一番のデメリット
税理士に依頼しない人からすると「確定申告なんて自分でやればタダじゃん」が本音でしょう。
特に個人の確定申告では自分でやっている人が多いです。
内容が正しいかどうかは別にして、税務署に持って行けば書き方まで教えてくれます。
所有する不動産が1戸2戸であれば、自分で確定申告は可能でしょう。
確定申告書の作成は、市販の会計ソフトを利用すれば簡単に作成可能です。
家電量販店でソフトを購入や、最近ではクラウド系の会計ソフトも利用できます。
クラウド系の会計ソフトの場合、通帳やクレジットカードを最初に連携すれば、自動で計上してくれるケースも。
会計ソフトは活用すれば、確定申告書の作成は苦労せず完成します。
ただ、会計ソフトを使って自分で作成した確定申告書が正しい内容かどうかは別です。
個人事業主でも多くの物件を所有していると自分で申告するのは大変です。
法人であれば自分で申告するのは難しいでしょう。
税務署に行けば、書き方は教えてくれますが、税務署職員と一緒に作成した申告書は、正しいとは限りません。
税理士が自分の不動産投資分の申告するのとはわけが違います。
税理士が「合わない」と思ってもすぐに変更できない
税理士の変更はすぐにできるのですが、変更できない、と思い込んでそのまま契約継続している人は多くいます。
自分に合わない税理士であれば、税理士は変更できます。
今まで依頼しているから・・・といった感情もあるでしょう。
ただ、合わない税理士に依頼し続けるのはストレスです。
税理士との契約内容にもよりますが、税理士の変更は期の途中でもできます。
税理士・納税者にとって都合がいいタイミングは決算が終わったタイミングです。
個人事業の場合は、1月~12月までの利益を翌年3月15日までに提出するまでが区切りです。
多くの税理士では、3月15日の確定申告書類提出後、税理士を変更する、と伝えれば今までの税理士との契約が終了します。
法人の場合は、決算月の2ヶ月後が申告期限です。
決算月までの申告書提出後、税理士変更の旨を伝えれば今までの税理士との契約が終了します。
税理士と相談して変更するのが一番です。
今の税理士に相談できないのであれば、次の税理士に相談するとアイデアをくれるケースもあります。
会社によっては、税理士との契約が終わってから数ヶ月間次の税理士を決まらないところもあります。
その間に税務調査が来る可能性もあるので、次の税理士を決めてから税理士変更の意志を伝えるといいでしょう。
今まで依頼していた税理士によっては、納税者に歩み寄った契約内容を再提示してくれる可能性もあります。
今までの税理士にするか、新たに見つけた税理士にするかは最終的に自分で決める必要があります。
もちろん税理士との契約内容によって変わってきますので、契約書などを確認してから税理士変更の旨を税理士と相談し、お互いに区切りのいいタイミングで税理士変更をしましょう。
税理士を変えたくても不動産運営は続きので、今の税理士と合わないと思ってもすぐに税理士変更ができないのはデメリットです。
不動産投資をする自分にぴったりな税理士の選び方
不動産投資をする人が税理士を選ぶには、不動産知識のある税理士を選ぶ必要があります。
ただ、不動産の知識が豊富でも、納税者にとっては合わない税理士もいます。
人間ですからね。
相性は必ずでてきます。
税理士の評判をサイトや口コミで確認する
税理士を選ぶ際に税理士の評判をサイトや口コミで確認してみるといいです。
ただ、評判や口コミは参考程度しましょう。
単刀直入で指示や内容を明確に伝えてくる人は、人によっては怖いと感じます。
口コミには怖い税理士と書かれている状況もあるでしょう。
ただ、人によっては明確で分かりやすく、今後の業務判断をしやすい税理士です。
優しく言ってくれる人は、人によっては何言っているのか分からないです。
自分にとってどのような税理士がいいのか、理想の税理士像を思い浮かべながら評判サイトや口コミを確認してみましょう。
評判サイトや口コミにどのような内容が書かれているのかを確認して税理士を探してみるのもいいです。
病院を選ぶ時にクリニックの評判や口コミを見る人は同じ感覚で見るといいです。
税理士の得意分野が不動産投資か確認する
税理士の得意分野を確認するのは、すべての業種に必要です。
税理士は全国に8万人以上います。
(https://www.nichizeiren.or.jp/cpta/about/enrollment/)
税理士になるには様々な方法があります。
①税理士試験に合格し、2年以上の実務経験を積む
11科目のうち、5科目合格して税理士になる
→合格した科目による
②税務署で23年以上勤務し、指定の条件を満たす
→税務署で何やっていたかによる
③会計士から税理士登録
税法に関する所定の研修終了が条件
→基本法人が強い
④弁護士資格から税理士登録
→分からん。相続のイメージ
他にも税理士になる方法はありますが、多くのケースで上記の4つ経由です。
「④弁護士資格から税理士登録」をした人はそれほど多くありませんが、①~③は結構います。
税務署OBならオールオッケーではありません。
なんでもできるわけでもありません。
昔は「税務署OBが顧問税理士だと税務調査がない」といった話もありましたが、今はないです。
顧問税理士が税務署OBでも税務調査はあります。
税理士には美容院専門、飲食業に特化した税理士もいます。
自分がどの業種なのかによって選ぶ税理士は変わってくるでしょう。
不動産投資で税理士を探しているのであれば、不動産投資を得意分野としている税理士を探しましょう。
ただ、普通に生活している人には事情を知らないので、前述した内容で税理士を探す必要があります。
税理士自身が不動産投資をしている
税理士の中には自ら不動産投資をしている人もいます。
不動産投資の顧客が多いから「自分も試しに」といった人もいれば、もともと不動産投資をしている関係で不動産投資の顧客が増えたパターンもあります。
税理士と聞くと、ずっと税理士事務所に勤務しているイメージは強いですが、経歴は様々です。
もちろん学校卒業後、ずっと税理士事務所に勤めている人もいます。
有名なところだと、税務署に長年勤務して税理士になる人ですね。
他にも、大企業で勤務していた経験を持つ人や、一般企業で経理をやっていた人もいます。
税理士になる前から不動産投資をしていて・・・という人もいます。
不動産相続を機に、不動産投資を始めていく人もいますね。
不動産投資をしている税理士は、自分がやっているので全く知識がない人ではありません。
自分がやっている経験からもアドバイスをくれる可能性もあります。
自分に合った対応をしてくれる税理士か確認する
税理士を選ぶ時は、質問に対して、回答が自分にとって分かりやすいかが重要です。
自分に合っているかどうかを知るには無料相談に行った方がいいです。
最近は初回無料相談をしている事務所が多いから行ってみるといいでしょう。
最近はZoomでも相談できます。
サラリーマン大家さんの場合、質問できる時間が限られるケースもある。
仕事終わりや仕事の休みの日に対応して欲しい、というのが本音でしょう。
自分が対応して欲しい時間帯に対応してくれるかも確認しましょう。
本業が忙しいなら税理士への依頼がおすすめ
不動産投資をしている人の中には、サラリーマンとして会社に勤めている人も多くいます。
サラリーマン大家さんの場合、休日や仕事終わりに確定申告書類を作るでしょう。
しかし、仕事が終わってからや貴重な休みに確定申告書類を作成するのは大変です。
本業が忙しい、サラリーマンなら税理士への依頼がおすすめ
不動産投資をする人の中にはサラリーマン大家さんもいます。
サラリーマンでの仕事も忙しいでしょう。
休みの合間や仕事終わりに申告書類を作成するのは大変です。
確定申告書類の提出は2月15日から3月15日なので、年度末で繁忙期の人もいるでしょう。
普段から残業で帰宅時間が遅い人もいます。
自分が始めた仕事とはいえ、繁忙期に家へ帰っても不動産に関する作業しなければならないのは苦痛です。
税理士に依頼すれば、書類をまとめて税理士に渡せば正しい申告書が完成します。
もちろん確定申告書類の作成で税理士から質問はいくつか届きますが、明確に回答すればいいです。
自分で調べながら確定申告書を作成するよりはるかに時間も労力もかかりません。
不動産投資で節税制度を最大限生かしたい人
不動産投資で節税制度を最大限生かしたい人は税理士への依頼がおススメです。
前述していますが、税金に関する法律はすぐに変わります。
特に不動産譲渡は特例が多いです。
特に不動産投資で少しでも税金を抑えたいのであれば、税理士に相談するのがいいでしょう。
不動産投資の規模を拡大していきたい人
不動産投資を拡大していきたいのであれば、税理士に依頼するのがいいです。
・不動産投資の規模をとにかく大きくしたい
・物件数を増やしたい
・法人での不動産投資も検討しながら規模拡大をしていきたい
・利益を多く出したい
・現金を増やしたい
上記の人であれば、税理士に依頼するのがいいです。
物件を増やすには、銀行からのいい評価を得る必要もあります。
銀行がいい評価を持つ状況は、不動産投資をする側にとっても金銭的に余裕のある状態です。
税理士にコストやキャッシュフローの相談をすると、銀行から見て有利な状況に動けます。
税理士には、キャッシュフローの相談から節税相談も可能です。
サラリーマン大家さんの場合、大家を本業にしてサラリーマンの退職も検討している人もいるでしょう。
不動産投資をする人の中には「不労所得」を夢見る人もいますからね。
ただ、相続等で借り入れなく多くの不動産を持った人ならいいですが、裸一貫で不動産投資を始めた人には困難が待ち受けていると思ってください。
多額の借入をして、工夫してコツコツ入居者を集め、管理会社と仲良くする必要があります。
不動産投資で税理士は心強い味方
不動産投資をする人にとって、税理士は心強い味方です。
・今後も投資を続けていく人
・贈与や相続を検討する時期に入っている人
・今は不動産投資を続けて、将来的に贈与や相続を検討する人
税金に関して税務署の窓口担当に質問すれば回答はありますが、正しい回答とは限りません。
税務署の窓口担当は、よく分からないまま対応している場合がほとんどです。
仮に税務調査が入った場合、税務調査員は、基本的に税金を多く毟り取った人が優秀とされる世界で生活しています。
少しでも追加の税金を多く毟り取ろうと必死です。
人によっては騙してでも多くの税金を毟り取ろうとしてきます。
税務署の調査官としては、法律を知らず、騙される方悪いと本気で思っています。
税務署内で上記の教育をしているのでしょう。(想像ですけど・・・)
法律を知らない状態でも、法律に則って納税者を守ってくれるのは税理士です。
自分に合った税理士を探して楽しい大家ライフを目指しましょう。